正しい姿勢ができてますか?

日常の生活をしていてふと鏡で自分の姿を見たとき

「あれ?こんなに背中まるかった?」
「以前よりも首が前にでてる?」

など自分の姿勢が崩れていると感じ、慌てて姿勢を正したことがあるかもしれません。
インターネットで姿勢について調べると、正しいとされる姿勢についての様々な情報があふれていると思います。

当院では姿勢について指導などを行っておりますがその折、患者さんから「インターネットで調べて正しい姿勢をしたら逆に体が痛くなった」というお話しをよく伺います。


この要因としては年齢、性別、体形(背の高さや体重)、病歴、現在の病気、運動の有無などの違いにより、その状況に適した個人の姿勢は様々であるからです。

ですから、解剖学や医療的に正しい姿勢とされることでも実際にその姿勢を行ってみると身体に負担がかかり、正しい姿勢を維持しようとすることが痛みを引き起こす原因となってしまいます。

日常生活での姿勢の変化を見てみよう

姿勢の話をするうえで背骨(脊柱)の形を知ることはとても大切です。
日常生活の姿勢の中で皆さんの背骨はどのような形に変化しているのでしょうか?
実際に背骨の模型で見てみましょう。

Aの姿勢は「正しい姿勢」といわれるものです。
首の部分では背骨は前側に反り、胸の部分では後ろに丸くなり、腰の部分ではまた前側に反っています。
骨盤は立っている状態で、座っているときは坐骨結節という骨盤の骨の下部分で体重を支えています。
正しい姿勢が保たれているときは、体を支える関節や靱帯、筋肉のバランスが良好な状態で負担がすくない状態と考えます。
私たち施術者が「姿勢の状態を判断する」というときは、上記のような姿勢の法則から大きく変化した部位がないかを観察していきます。
この基準から逸脱している状態は体に負担をかけ、痛みなどの不調を生み出す原因になっている可能性がその部位にはあると考えていきます。

それでは続けてBとCの状態をAと比べて背骨の形の変化を見ていきましょう。

■Bの姿勢はソファーに座ってテレビなどを見ているときの背骨の状態です。
背もたれに寄りかかっているために骨盤は大きく後傾し、背中は全体的に丸くなりますがテレビを見るために首だけは強く反らした状態となります。
腰も通常は前に沿っている状態が正常ですが、座ることで骨盤は後方に倒れて、腰部も大きく後方へと弯曲しています。
背中を丸くした状態でテレビを見るために首の後ろの筋肉を使っていますので首、背中の構造物には負担が大きくなってしまいます。
腰は大きく丸めることで周辺の筋や靱帯、椎間板などの構成要素に負担をかけ、この状態を長時間続けてしまうことで痛みを生じる原因となってしまうことが考えられるでしょう。

■Cの姿勢はスマートフォン(スマホ)を見ているときの背骨の状態です。
手に持っているスマホを見るために、首を大きく前に傾けて首の反りがなくなってしまった状態です。
またスマホを持つため手を前方に維持しますので、背中の部分は丸くなって肩が内側に入ってしまいます。
肩が内側にはいってしまうと胸の筋肉を縮めたままの状態になってしまうので、体を起こしても肩が内側に入ったままの状態になりやすくなります。
また人体の中で頭部はとても重たいので、Cのような姿勢では首、背中、腰など全体の構成物に、頭を支えるための大きな負担をかけていることが分かります。
スマホに夢中になり、長時間この姿勢を続けていると体中が硬くなったように感じるのはこのためです。

身体の見える化で健康へ!


このように姿勢を背骨の形から理解して頂くと、日常生活での問題点や改善のためのヒントを見つけやすくなっていきます。
このことは姿勢に限ったことではありません。全身の骨格の状態においても言えることです。

当院では「ご自身の体」を理解して頂くために施術後は全身の骨格模型を用いて説明しています。
施術を通して今の身体の状態をご理解いただき、不調の改善に貢献できるように当院では心がけております。